2017年11月21日火曜日

学ぶ会のご報告

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こんにちは。もう随分と寒くなって来ました。

今日は11月15日に行われた学ぶ会のご報告です。今回は「思春期の子どもとのつきあい方」というテーマで意見交換をしました。今回は初めての試みで1項目ごとに私の考えを述べさせて頂き、その後参加者の方々とディスカッションという形を取りました。あっという間の3時間!なんとディスカッションの内容が、私が次にお話しようとすることを先取りされて行きました。常々私がお話しさせて頂いていることが充分にご理解して頂いているのだなぁと強く思いました。回数を重ねることの重要性を感じました。今の時代は情報を得ようとすればいつでも、どこでも得られる世の中です。でも生の声で話し合い、先輩方のお母さま方の経験談を伺い、自分を顧みる時間の尊さはスマホから得る情報よりも、充実感と実感を得られたのではないでしょうか。
子どもを育てるという大きな意義をもう一度リセットし、先を見通せたことでしょう。思春期の子どもは親から離れていく準備をしている時期です。親としては寂しい気持ちもありますが、一人の男性として、女性として成長させなくてはなりません。それには親も覚悟がいると思います。その良い機会になったのではないかと思います。


<思春期とは>
一般的に少年期〜青年期への移行期間11歳〜18歳の頃と言われています。この時期は成長ホルモンをはじめ男性ホルモン・女性ホルモンが大量に増えてくる時期です。そのために身体は一気に大人になっていきます。それに対して精神はゆっくり成長するのでアンバランスを引き起こします。その状況に戸惑い情緒が不安定になる傾向にあります。


<親の接し方>
中学生になると、子どもは自分と向き合うようになります。家族や友人・学校・社会との関わりの中で、自分の存在を見つけ出します。特に学校や友だち間で自分の役割や位置・目的などが確率できると、不安がなくなり勉強や部活、その他の習い事に精を出せるのです。親は学習や成績などの関心が高まりますが、子どもは自分の居場所を見つけることに必死です。親もその状況を認識して受け留めてあげられれば、親子関係は安泰と言うことが多いように思います。
また、その頃親も身体の変調が起こります。更年期です。偶然のいたずらかとも思えますが、見事に子供の思春期と親の更年期が重なっているのです。お母さんのイライラが、お子さんを苛立たせているかもしれません。気をつけましょう。


<自立を促す>
子どもの人生は子どもが作るものです。「あなたは将来何になりたいの?」と問い続けましょう。そう問われると子どもは自分の将来を考え始めます。そのための情報を得ようとします。
親の夢と子どもの夢はイコールではないことが多いです。親の敷いたレールに乗せることは、今の時代難しいでしょう。無理強いはいけません。子どもが自分で考え、自分で決めて努力することに意義があるのです。そのためにも小学高学年頃からは、子どもの意見を尊重して責任を持って行動するように促しましょう。これが自立の準備です。そして親は「協力は惜しまないよ!」と伝えて下さい。


<異性について>
思春期を迎えた子どもは男女関係に大きな興味を持ちます。異性に興味を持ち好きな人ができることは自然なことです。健全なお付き合いができるように、性教育をしっかりやりましょう。性教育は学校に任せるのでなく、女の子は初潮があったときに母親が、男の子は精通を経験する12〜13歳頃に父親が話すと良いでしょう。親からそのような話をされたという事実が、その後の彼らの行動に良い意味でブレーキをかけることでしょう。


<子どもが相談しやすい家庭を作る>
思春期の子どもたちが抱える悩みごとは、自分の力では解決できない難題が多いです。そして親が解決してあげられることも少ないのです。親に出来ることは、悩みを相談できる家庭環境を作ることです。そして本人が自力で解決するための糸口となる考え方を与えましょう。それは歴史上の人物や思想家の話かもしれません。大人ならどのように心の折り合いをつけるのか、どのように問題を解決するのか学ばせるのです。親も長い人生を迷いながら自分の道を切り開いてきたことを伝え、しっかりと道徳教育をしましょう。幼い頃からコツコツと努力をして小さなハードルを越え続けることを知っている子は、どんなに苦しくても乗り越えることは出来ること。親は子どもの味方であることを伝えましょう。それまでに育んできた親子の絆があれば必ず道は開けるでしょう。


<参加者の感想>
今回も率直なご意見とご感想をありがとうございます。私も勉強になることばかりです。以下にご紹介させていただきますね。
・日々コツコツと努力する、反復する力が社会に出てから生き抜くために、とても大切であることを更に実感しました。
・思春期という大変な時期を乗り越えるために、親子の絆が重要になることを知りました。心が通い合う家庭を築いていこうと思います。
・思春期までにはまだ数年あるので、先輩の方々のお話を聞いてイメージすることが出来ました。逆算して、今をどう過ごしていったら良いのか考えさせられました。
・大切なことは何回も家族会議を開いて、家族みんなで考えていく。その過程が大切だというお話が、大変参考になりました。子どもに相談される家庭を作っていこうと思います。
・心と身体のギャップが、思春期に起こるイライラなのだと知りました。
・コツコツと努力する習慣が、大人になるまで必要だという話を聞き、ピアノでその習慣が身についてきているので有り難いです。

・年に3回の学ぶ会が楽しみです。もっともっとお話をお聞きしたいです。


今回もありがとうございました。次回も一緒に学んで行きましょう。私も一人の母親・教師として糧にして参ります。

では。


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2017年10月7日土曜日

小倉郁子のバスティンメソッド解説④-テクニック編その1(パーティーシリーズ)

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こんにちは。すっかり秋らしくなってきました。我が家の庭には、金木犀がオレンジ色の花をつけて香りと共に楽しませてくれます。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 今秋はテクニックについてお話しようと思います。
私は、自分の学生時代からテクニックの重要性と必要性をひしひしと感じてきました。なぜなら表現したいことを現実として満足できる音にするのには、どうしてもテクニックが必要だからです。そのスキルが無いと、心や頭の中にどんな豊かな音楽性があっても表現することが儘ならないからです。

 テクニックと言えば技術と翻訳されますが、その中には単に指さばきと言う手の運動的な要素だけでなく、音づくり、ハーモニーづくりも含まれます。どのような響きが必要とされているのか、そのためにはどのようなタッチでキーに触れればよいのか、美しい響きのバランスは…と打鍵の速度、深さ、指先、手首、腕、身体の使い方、ペダリングなど音を出す時には多くの神経を張り巡らせ演奏します。それを導入期から少しずつ習得させていくことが大切です。ではどのようにしたらよいのでしょうか。子供に限らず中学生高校生、または大学生や指導者になっても悩まれていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

 そこでバスティンメソードで学ぶテクニックを順に紐解いていこうと思います。まずは初歩的基本的なテクニックから私の指導法を紹介したいと思います。今回はパーティーシリーズから学ぶテクニックです。

《グーモーション》
ピアノを習い 始めて最初に学ぶテクニックです。グーモーションの目的は、ピアノという楽器の美しい音、きれいな優しい音、柔らかい音など力みの無い響きを聞いて身体で覚えることです。


グーモーション


《グーモーション予備練習①》
スポンジ花を使って、腕が沈む感じ、手首からでんぐり返しをして指先がスポンジ花から離れていく感じを体感させます。(スポンジ花は宇都宮バスティン研究会会員 菅野こう先生が考案された物です。)

グーモーション予備練習①

《グーモーション予備練習②》 
グーモーションを指に変換します。指先はタッチポイントで打鍵し、第3関節でしっかり支えて下さい。呉々も打鍵後の指先と手首が、脱力されていることをご注意下さい。

グーモーション予備練習②


今回はここまでです。これから数回にわたってテクニックの習得法を紹介して行きたいと思います。生徒の皆さんや指導に悩む先生方のご参考に少しでもなれば、嬉しく思います。それでは次回またよろしくお願いしますね。


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2017年9月18日月曜日

小倉郁子の指導法:動画集

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こんにちは。皆さんはいかがお過ごしでしょう。
また間が空いてしまいました。

今日はこれまでのまとめの一部を作ってみます。

段々と書いた記事が増えてきたので、ここで一度動画についてまとめたいと思います。
これまで記事に載せてきた動画は、私の指導法をご紹介させていただくのには、良くまとまっていると思います。ブログを初めから全て読んで下さるのもとてもありがたいですし嬉しいのですが、途中から読んで下さる方々にとっては、私の指導方針や指導法がいまひとつ伝わりにくいかも知れません。

そこで、そのように私に興味を持ってくださる方が、私の指導法や指導方針をお手軽に知っていただくために、動画を以下にまとめてみますね。


まずは専門のバスティンメソッドについて

①バスティンメソッド解説:概要 (こちらは動画ではないのですが全体の解説です)
②パーティシリーズ:ピアノ・音楽への導入
③パーティーシリーズ:読譜・ウォーミングアップ

続いてテクニックシリーズ
こちらもバスティンメソッドを用いてはいますが、バスティンと言うよりも、ピアノを弾くためのテクニックに重きを置いています。ピアノを弾いているお子さんには、こちらの方が随分と参考になるかもしれません。とても簡単な基礎の基礎から積み上げる形で紹介していこうかと思っています。楽しみにしていてください。
④テクニック編-1;基礎の基礎
⑤テクニック編-2;基礎の基礎その2


PTNA:全日本ピアノ指導協会eラーニング

こちらでは、PTNAの講演会にて私がお話させていただいた時の様子が動画になっています。とても詳しい解説になっていますので、指導法を知っていただくのにはとても良い内容かと思います。
バスティン・パーフェクトセミナープラス2017:①
バスティン・パーフェクトセミナープラス2017:②
バスティン・パーフェクトセミナープラス2017:③
なお、→こちらにPTNAの講師としての私が紹介されています。是非とも受講者の声とともにご覧下されば嬉しく思います。
実は残念ながらこのPTNAのeラーニングは基本的に有料会員制でして、会員になって年会費を納めなければ動画を見ることができません。ごめんなさい。。。でも、もしよろしければ会員になってご覧になっていただければ嬉しいです。

現在のところ、指導法に関する動画は以上ですが、今後も随時ここにまとめて行きたいと思います。



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2017年8月29日火曜日

私の夏:多忙と喜び、そして潤い

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皆さま!久々の更新です。
前回から5週間も経っているのですね…。

夏なのに、向日葵🌻・花火・かき氷…と夏の風物を素通りしていたことに気づきました。余裕のない生活にイマイチ淋しさを感じます…。

実に忙しい夏だったのです。コンクールをなさっているピアノ指導者の方々は、皆同じだと思います。日本で最も規模の大きいピティナピアノコンペティションをはじめとし、多数のコンクールが行われるからです。それに今年は幼稚園でのミニコンサートで(私が!)演奏することにもなっていました。その練習とコンクール指導に追われていたのです。でも、忙しい中でもピアノに向かう時間を持てたことは、体力的にも精神的にも調整の必要な私にとって至福の時であったのは事実です。このような機会を与えて下さったことに感謝します。


ところで世の中の皆さんはコンクールの結果を公表しているようなので、私も準じて報告したいと思います。
【ピティナピアノコンペティション】
B級   Tさん   本選優秀賞     全国決勝大会入選
C級   Kさん   本選奨励賞
E級   Kさん   本選優秀賞
F級   Sさん   本選優秀賞
デュオ初級    Tさん・Sさんペア    本選奨励賞

そして昨年ピティナのグランミューズで3位に入賞した中山里紗さんが
【ASIA国際音楽コンクール】   優秀賞
【ヤングアーチストピアノコンクール】  銀賞(金なし)
という結果をいただきました。入賞した皆さん!おめでとうございます。よく頑張りました👏


今年の結果の特徴は、 A2(幼稚園生)〜F級(高校生)・大人までの全ての級で予選を突破し、本選出場者が全級で揃ったことです。予選を突破するだけでも凄く大変なことなのですが、生徒さん一人一人の努力は相当なものだったと思われ、本当に皆さんよく頑張ったと思います。皆さんの頑張りを見ていてとても嬉しかったです。その中で上記の方々が入賞に選ばれました。そして中山さんとTさんが全国大会まで進んで大いに活躍してくれたのです。


私の教室では、3歳〜60代と幅広い年代の生徒さんが通っています。その中でピアノが生活の一部となっているような生徒さんが活躍されることをとても嬉しく思います。私の教育モットーである人作りという点においては、特に感性が多感な時期の生徒さんにとって、一つのことに没頭することは重要なことだと思います。なぜなら、その時間は自分と向き合い試行錯誤を繰り返し、自分と闘い自身を磨いている時だからです。そしてその結果も自分で受けとめ次の糧としているのです。まさしく人づくりに真摯に向き合っている時間と言えるでしょう。自分で自分を育てているんですね。そのような経験を数多くしてきた生徒さんは、これからの人生において、どんな苦難にも負けない大きな人間力を身につけていくのではないでしょうか。そういつも期待して、私はレッスンに向かっています。


さて、そんな忙しい生活を送る私ではありますが。。どんなに忙しくても香り豊かなコーヒが楽しめるのと同じように、生活に潤いを持てる時間を過ごそうと日々努力しています。それは短い時間ですが本を読むことです。この夏に読んだのは、恩田 陸さんの「蜜蜂と遠雷」です。とても有名な作品ですから、読者の皆さんの中にも読んだことがある人がいると思います。音楽コンクールの世界を、リアルに美しく描いており引き込まれていきました。そしてその世界の隅にいることが嬉しく、喜びと勇気を頂きました。本当に素晴らしい作品です。恩田 陸さんに「有り難う!」と伝えたいです。 


忙しくとも潤った私の夏でした。



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2017年7月20日木曜日

小倉郁子のバスティンメソッド解説〜③パーティシリーズPart3

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 こんにちは。バスティンメソッド解説の3回目、今回でパーティーシリーズは最終回です。

 幼ない生徒さんの場合、テキストどおりにレッスンを進めているだけでは思うように習得できません。そのために補足が必要になります。補足にもあらかじめ前倒しで触れさせておくもの、学習時に併用して与えるもの、復習として補足するものと3パターンあると思うのです。生徒さん一人ひとりによって、補足内容も、補足量も違いますね。今回も読譜を中心にしたウォーミングアップの方法です。読譜は正確に、しかも早く読めることが要求されます。そしてその後の学習レッスンにおいて大きな条件となります。レッスンに活かして頂ければ幸いです。

【ウォーミングアップ 殿堂入り 6種】
⑴ 4ど・5どの音程感覚を覚えましょう。
4どは「大きな古時計」5どは「きらきら星」の冒頭部分を使っています。


「4どを覚えましょう〜」


⑵ 線の音・間の音を覚えましょう。
5線譜を高い方からもに低い方からも容易に読めるようにするために、呪文を丸覚えさせます。



「線の音・間の音」

⑶ 音程早口ことば
バスティンの特徴である音程読みの練習です。2ど〜5どまでのキーワードを徹底的に覚えます。



「音程早口ことば」

⑷ フラッシュカード
大譜表の23音を、フラッシュカードを使って、できるだけ早く読めるようにします。


「フラッシュカード」

⑸ 音程を見極めよう
*音程フラッシュ ①
2ど〜5ど(黄色とピンク)の音程フラッシュカードを使って練習します。キーワードを言いながら確実に習得していきます。


「音程フラッシュ①」

*音程フラッシュ ②
キーワードがマスターできたら音程だけを読みます。


「音程フラッシュ ②」

⑹ 3ノーツカードで横読みの練習をしましょう。
*3ノーツカード ①
3ノーツカードは3ど以内の音程で3音を組み合わせたカードです。キーボードでの位置も必ず確認して下さい。


「3ノーツカード ①」

*3ノーツカード ②
ピアノの譜面台に3ノーツカード(小)を10枚並べます。そして一揆に読みます。タイムを計るとスリル満点で楽しめます。


「3ノーツカード ②」


以上です。読譜は数多く繰り返すことが大切です。そのためにフラッシュカードでも、音程フラッシュでもタイムを計ったり、グループを組んで競争して楽しみながら訓練をすることをお奨めします。保護者の方の協力も重要ですね。毎日の取り組みに期待します。

 
 このパーティーシリーズではA・Bで読譜をするための知識と音感教育を、Cで読譜、Dで全調への学習をします。膨大な学習内容ですので、学習方法にも工夫が必要です。そのアイデアの一つとして活用して頂ければ幸いです。

『教育はアイデアです‼︎』

今回も読んでいただき、ありがとうございました。



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2017年6月24日土曜日

ピアノ学習を通して子育てを考える

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去る68日に行われた学ぶ会のご報告です。
学ぶ会は、ピアノ教育と子育てが多くの共通点を持っていることに気づき、15年前からピアノのおけいこをさせている保護者の方々の学びの場として活動しています。年3回のペースで開催しています。今回は「学習することが好きになるために」というタイトルで問題提示をさせて頂きました。その後感想を交えて話し合い、参加者の皆さんの今の家庭環境を顧みる機会でありリフレッシュタイムになったことでしょう。

【オールラウンドな人づくり】
欧米では音楽や美術・スポーツのように言葉や数字で表わせないものを感じられる人こそ、深い思考力を持っている教養のある人と評価されます。
音楽 : 手と耳と目のコーディネーションの訓練になる。頭の回転が早くなる。心が安定する。
美術 : 創造力を高める。美的感覚を養う。
スポーツ : チームワークを学ぶ。心身の育成になる。向上心・忍耐力・リーダーシップを学ぶ。

熱中できるものを持っていることは心の安定に繋がります。できればチームで行うものと個人で行うもの、両面を養いたいものです。スポーツで心身を鍛え、チームワークを学び人を思いやる心を育みます。そしてピアノで心のオアシスを作ります。ピアノを弾いていると心が落ち着き、芸術の世界に引き込まれていきます。仲間とアンサンブルすることで居心地の良さを感じます。そしてピアノは自分をアピールする手段でもあります。自分の存在を示すことができるのです。そのような世界を子どもたちに持たせてあげて下さい。音楽に助けられる時があるのです。必ずその存在の尊さがわかる時が来るでしょう。

           心の安定があってこそ学習にも身が入るのです

【勉強方法はピアノの習得方法と同じ】  
解らないことを解決するときに、お子さんとの共通語録で説明しましょう。お子さんが体験したことに置き換えて説明してあげましょう。
ピアノの読譜の訓練のときにカードを使いましたね。そのように興味を示すような教具を使ったり、覚え易いキーワードを考えたりと工夫が必要です。タイムを計ってスリルを味わいながらの習得は、効果が上がります。そして理解できたら、それを完全マスターすることが大切なのだ!ということを教えます。その時にピアノのコンクールの経験が役に立つのです。
コンクールは厳しい条件のもと、学習基準が作られます。その基準を自らが作り上げた経験は、ピアノ以外の分野でも大いに役立つでしょう。子どもたちは、小学校の学習内容よりもピアノの習得の方が難しく感じています。そのピアノで培った経験があるからこそ、ピアノより易しく感じる勉強が楽しくなるのです。

【楽しい学校生活にするために】
学校は、新しいことや知らないことを教えて貰う所であることを認識させ、先生の話をしつかり聞くことを習慣付けましょう。それに、集団生活のモラルを学ばせることも学校で楽しく過ごすための大切な条件になります。先生の指示に従い行動できるようにしましょう。
又、家庭学習において注意すべきことは、「時を逃さない」ことです。お子さんが「お母さん、これ教えて!」と言ってきたら「ちょっと待って!」「今忙しいの。あとにして!」は禁句です。瞬時に向き合ってあげることが大切です。解らないことをそのままにしない。必ず解決することを身につけさせたい。そのために、親はいつでも手を差し伸べてテストの前には解決しておくことです。その取り組みが習慣となれば、自立した時に大いに役立つでしょう。


【得意教科と不得意教科】
一般的に不得意教科に力を入れがちだと思います。私は得意教科をもっともっと伸ばすことを奨励したいです。好きなことは自らが求めて、より深く勉強していきます。「好きこそ物の上手なれ」ということです。◯◯のことなら誰にも負けない自信をつけることが大切です。そうなると余裕が出てきて、不得意教科にも自ら向かうようになるでしょう。

【悪い点を取ってきたら
子どもは何につまずいているのか見極めましょう。原因を見つけ出しおおよそ4つの原因が考えられます。
1、内容をどのくらい理解しているのか
2、試験準備が足りなかったのか
3、質問の意味が理解できていない
4、先生の教え方がわかりにくい
さあ お子さんのつまづきはどれでしょう。それによって対処法が違います。親は子どもにとって一番の理解者であり、相談相手でなくてはなりません。悪い点を取ったらお母さんに叱られる!という家庭環境は避けましょう。叱っても点は上がりませんので

【英語は国際原語】
世界は、学問も経済も政治も英語で回っています。音楽も英語に変わってきています。日本の英語教育も力を入れてきました。世の中に通用する英語力とは、具体的にどのようなことでしょうか。
1、自分の意見を伝え、相手の話が聞けること。つまり会話ができること。
2、英語を使ってリサーチして勉強できること。
3、レポートが書けること。
を目指すのです。英語を自然に身につけることができるのは8歳迄ですから、出来るだけ早くに英語習得の環境を作りましょう。



参加者の声
    ・母としての姿勢、心のコントロールの仕方などたくさん感じるものがありました。先生の話を聞くことで自分を顧みることができます。また我が子を客観的に見ることができ、とても価値のある時間です。目の前の大切な子どもに何が必要なのか、しっかり見極めて接していきたいと思います。
    ・わからないことは、その場で解決!! 子どもには「ちょっと待って!」はない。このことを日々の生活の中で、心に留めて母業頑張ります。
     母の心が乱れた時に「学ぶ会」で教えてもらったことを思い出しています。
     母親にとっても子どもにとっても「心の安定」があってこそなのだ!と痛感しました。子どもに対して今取り組んでいること、導いていることは「自分のため」なのか「子どものため」なのか常に問い続けようと思います。
      毎日余裕のない生活の中で子どもとの関わり方に反省させられました。子どもに常日頃余裕を持たせるためのガス抜きが大切だと改めて感じました。
     ・「親は子どもの一番の理解者であり相談相手でなくてはならない」自分がそのポジションであるか見直します。

      1でコンクールを経験し、それを毎年続けてきたことで培ったことから、宿題と自主学習は自主的に必ずやるようになりました。誉めてあげようと思います。大変なことを乗り超えることを、親子で経験していくことはとても大事なことだと改めて感じました。


ご参加くださった皆さん、ありがとうございました。感想やご意見も、いつも本当に参考になりますし、私も学ぶ所が多いです。今後も一緒に学んでいきましょう。よろしくお願いします。



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2017年5月21日日曜日

小倉郁子のバスティンメソッド解説〜②パーティシリーズPart2

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今回はパーティーシリーズの第2回めです。パーティーシリーズは3歳〜の導入テキストです。
この年代の生徒さんは、一人ひとりの成長過程に個人差があります。ですから同じテキストでも全員が同じように進めていくことは難しいことなのです。そこで私は、テキストの学習内容を

ウォーミングアップとして、レッスンの始めに歌を歌うことで馴染ませています。レッスンがスムーズに進行するように、前もってエキスを散りばめておくのです。もちろん復習にも役立ちます。グループレッスンでも個人レッスンでも使えるアイテムです。ご興味のある方はぜひ動画も合わせてご覧ください。

【ウォーミングアップ A】
    ⒈ みぎて  ひだりて   てをたたこう   (ピアノパーティーA p.2)  右手と左手の区別ができるように楽しく覚えます。
                            


    2.指番号のうた
            指の番号を覚えると共に1本ずつ指を出すことは、幼い子どもにとって意外に難しいことです。先生と生徒の掛け合いのスタイルを取っています。
                            

    3.音名のうた
             7音を覚える過程を3種類に分けています。生徒さんの習得状況に応じて使い分けして下さい。  
   


                                         

    4.音の高さを認識させる
  ① きかんしゃ  かぞく   (聴音&楽典パーティーA  p,9)

                                         
              ②  ながれぼし     (聴音&楽典パーティーA  p,16)

                                        

     5.音列のうた  A
  音の並びを覚えることは、それからの読譜の手助けになります。速度を上げても自然に言えるようにさせましょう。

                                       

     6.キーワードに即時反応
   ピアノの鍵盤は左右に長いものです。その条件のもと、子どもたちは指導者の使うキーワードに瞬時に理解して反応しなければなりません。子どもたちの好きな電車ごっこに見立てて学びます。

                                        


【ウォーミングアップ  B】
      1.音列のうた  B 
    Aで学んだものを反対から言えるようにします。

                                        

      2.ステップのうた           
              
                                                 

      3.スキップのうた        
    
                                                 

          読譜に入る前に習得すべきことはたくさんあります。テキストに出てきてからでは間に合いません。前倒しで「うた」を通して触れさせていきましょう。パーティーシリーズの対象年齢は3歳〜です。この時期は一人ひとりの生徒さんの成長に大きな差があります。生徒さん一人ひとりのカリキュラムを作ってあげましょう。生徒さんにとって初めてのおけいこです。“楽しい!おもしろい!”をモットーにレッスン
を進めて下さいね。正しい音、正しいリズム、美しい響きがわかる音に敏感な耳を養いましょう。




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2017年4月26日水曜日

〜小倉郁子のバスティンメソッド解説〜①概要

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前回までの「コンクールについて」を書き終えた後、ふ〜と力が抜けて桜🌸の美しさに見とれていました。気がつくと4月半ば。カツを入れて始動開始です。

 ここからはピアノ指導者として、バスティンメソードに関わる事をまとめてみようと思います。今回は初回ですので「バスティンメソードの概要」と「パティーシリーズの概要」をまとめることにしました。


【 バスティンメソード概要】

“バスティンメソードとは”
  *1970年代にバスティン夫妻によって創られました。単にピアノの演奏技術を身につけるだけでなく、音楽のあらゆる分野を学習しながら幅広い音楽体験が出来るように構成された総合教材です。

  *音楽のあらゆる分野とは何を指すのでしょうか。「ピアノパーティーガイドブック」を読んで頂ければ、バスティン先生の主旨がご理解頂けると思います。

 ⒈ テクニックの下地づくり
良い手の形を作り、腕・手・指の筋力を上手に使い、無駄のない動きで響きの良い音を出せるようにします。そしてその音を判断出来るようにします。

 ⒉ 鍵盤の完全な理解
鍵盤がどんな仕組みになっているのか理解させます。音には高・中・低がある、2つと3つの黒鍵、キーボードは7つの音の繰り返しが7回、それを5指ポジションで全調を経験させます。

 ⒊ リズムの基礎能力づくり
リトミックなどで身体で音符の長さ、重さ、広さを学ばせることは勿論、カードや線の長さで視覚的に音価を学ばせます。そして拍子感を身につけさせたいです。
           
 ⒋ 初見能力を養う
プレリーディング期間に、音符の動く方向に目を移し、リズムと指番号を一致させて弾きます。その時に声に出してカウントすることが出来るようにします。
           
 ⒌ 移調
キーボード上での移調は音程感覚を身につけることが目的です。

 ⒍ 和声分析・カデンツ能力を育てる
メロディーに対して1度とⅤ7の和声付けが出来るようにします。そしてカデンツ感を養います。
           
 ⒎ 聴音と即興の能力養成
音感の習得は早期にすることが大切で聴覚の発達には必要不可欠なものです。自分の出した音が正しいのか判断するための手段だからです。
           
 ⒏ 楽典の基礎知識
調性・音程・和声そして和声構成を理解させることを目的としています。それは楽典の知識が音楽を理解するために重要な条件だからです。
           
 ⒐ 様々な音楽スタイル
偏りのない多種多様な音楽に触れ感性を磨くように導きます。
           
 10. アンサンブルの重要性
パートナーと一緒に音楽を創り、心を合わせて演奏する喜びを養うことは勿論、バスティン先生は確実な初見能力と安定したテンポ感を身につける重要な手段であると位置づけています。


“バスティンメソードの特徴“
 バスティンメソードでは3つの事を柱にして学習するように構成されています。

    ①数こなし式
楽に弾ける曲を数多く宿題に出す。その結果、生徒はたくさんの曲を弾けた達成感が得られます。するとやる気が出て意欲的に練習するようになるので、読譜力や初見力が自然に身につくのです。因みにバスティン先生の1週間の宿題は約15曲位です。

    ②かみくだき式
一つの課題を基礎・応用・展開へとstep upするように構成されています。3種類のテキストと併用曲集によって、あらゆる角度から課題を学習出来ます。

    ③逆算式
生徒さんのゴールの姿から逆算して、現在の生徒さんに何が必要か見極めて指導します。


   生徒さんが名曲を弾くためにも88鍵の鍵盤を難なく弾きこなせなくてはなりません。そのために早期に全調を導入しています。この方法によって、早い段階から自分で学習する力を身につけることができ、「演奏を 楽しむ」という音楽の本質的な価値を理解することができるのです。


【パーティーシリーズの概要】

“パーティーシリーズとは“
 個人レッスン・グループレッスンでも使えるピアノ導入期の包括的な総合カリキュラムでのテキストです。

*読み書きの出来ないお子さんから可能なテキストです。
無理なく、楽しく自然にレッスンにとけ込み覚えていくように考案されています。

*プレリーディング方式から5線読みへと画期的なプロセスにおいて読譜を完成させます。

*1曲ずつ指導目的と指導方法が提示されたガイドブックが用意されています。


  🎹 ピアノパーティー
・鍵盤図やプレリーディング方式により、基礎知識を学び5線譜へと移行します。

  🎹 聴音と楽典パーティー
・プレリーディング譜で読譜の準備を行い、視覚的に対応できるようにします。
・ピアノパーティーで学習した事の定着のために「書く・弾く・聴く」をより深く実践するためのワークブックです。

 🎹 パフォーマンスパーティー
・学習内容をあらゆる角度から繰り返し学びます。

以上です。次回はパーティーシリーズAを取り上げたいと思います。お楽しみに‼︎


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