大寒を迎え、本来の冬を感じています。春が待ち遠しい限りです。
新年になり、世の中は目まぐるしく変動しています。
それに翻弄されることなく、日々やるべきことをしっかりと全うして無事に過ごせたらいいなぁと思っています。
Aさんとレッスンを始めて2年になります。
幼い頃からピアノをやっていたそうで、音楽が大好きな大学生です。
Aさんは音感をしっかりと習得していました。何の音かすぐに判別できます。
つまり絶対音感の持ち主だったのです。
ところが読譜は大の苦手。
譜読みに相当な時間はかけているらしいのですが、一向に音楽になりません。
音符が読めて音がわかりリズムも理解していて、どうして音楽として成り立たないのか私には不思議であり驚きでした。
そのうちに譜読みが出来ないのではなく、音楽として構築することができないことに気づきました。
幼児が50音を覚え、1音1音を組み合わせて単語として認識するのと同様です。
それが幾つか繋がり文章となりますね。
音楽も21個の音とリズムや音の高低を巧みに組み合わせて作られています。
そして音形や和声によりまとまりを作ります。
そして意味のあるメロディになるのです。
その部分がAさんは学べず欠如してしまったのです。
ですから音楽は好き、自分でも演奏してみたいという願望はあるものの、いつになっても形にならないのです。
1音づつ並べてもそれを繋げてフレーズにすることや、たくさんある音の中から、その部分を支えているハーモニーの音を見つけ出す作業ができないのです。
糸を通していないビーズを並べている感じで、いつになってもlineになりません。
不安定そのものです。ですから覚えるにも覚えられないのです。
暗譜の苦手な原因もここにあると思いました。
私も指導歴45年になりますが、初めてのケースで本当に驚いてしまいました。
音符が読めて音がわかり、指が動くのに音楽にならない。
このような成長形を見たことがありませんでした。
せっかくの絶対音感も活かされず、ソルフェージュ・セオリー・技術のトライアングルが完全に機能していない状態です。
このような成長をしてしまったのには、指導する側の責任が大きいと思います。
音楽は早期教育と言われていますが、それは音感教育のことです。
音感は6歳まででほぼ完成してしまうためなのです。
その後学ぶ過程において指導者の導きにより学習していくわけですが、Aさんはその時期に良い指導者に恵まれなかったのでしょうか・・・
このような例を見ると、私も自分の指導法を顧みることになり引き締まります。
生徒とは共に学び合う仲間でありたいと心から思います。
今年も奢ることなく頑張ります。