2017年6月24日土曜日

ピアノ学習を通して子育てを考える

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去る68日に行われた学ぶ会のご報告です。
学ぶ会は、ピアノ教育と子育てが多くの共通点を持っていることに気づき、15年前からピアノのおけいこをさせている保護者の方々の学びの場として活動しています。年3回のペースで開催しています。今回は「学習することが好きになるために」というタイトルで問題提示をさせて頂きました。その後感想を交えて話し合い、参加者の皆さんの今の家庭環境を顧みる機会でありリフレッシュタイムになったことでしょう。

【オールラウンドな人づくり】
欧米では音楽や美術・スポーツのように言葉や数字で表わせないものを感じられる人こそ、深い思考力を持っている教養のある人と評価されます。
音楽 : 手と耳と目のコーディネーションの訓練になる。頭の回転が早くなる。心が安定する。
美術 : 創造力を高める。美的感覚を養う。
スポーツ : チームワークを学ぶ。心身の育成になる。向上心・忍耐力・リーダーシップを学ぶ。

熱中できるものを持っていることは心の安定に繋がります。できればチームで行うものと個人で行うもの、両面を養いたいものです。スポーツで心身を鍛え、チームワークを学び人を思いやる心を育みます。そしてピアノで心のオアシスを作ります。ピアノを弾いていると心が落ち着き、芸術の世界に引き込まれていきます。仲間とアンサンブルすることで居心地の良さを感じます。そしてピアノは自分をアピールする手段でもあります。自分の存在を示すことができるのです。そのような世界を子どもたちに持たせてあげて下さい。音楽に助けられる時があるのです。必ずその存在の尊さがわかる時が来るでしょう。

           心の安定があってこそ学習にも身が入るのです

【勉強方法はピアノの習得方法と同じ】  
解らないことを解決するときに、お子さんとの共通語録で説明しましょう。お子さんが体験したことに置き換えて説明してあげましょう。
ピアノの読譜の訓練のときにカードを使いましたね。そのように興味を示すような教具を使ったり、覚え易いキーワードを考えたりと工夫が必要です。タイムを計ってスリルを味わいながらの習得は、効果が上がります。そして理解できたら、それを完全マスターすることが大切なのだ!ということを教えます。その時にピアノのコンクールの経験が役に立つのです。
コンクールは厳しい条件のもと、学習基準が作られます。その基準を自らが作り上げた経験は、ピアノ以外の分野でも大いに役立つでしょう。子どもたちは、小学校の学習内容よりもピアノの習得の方が難しく感じています。そのピアノで培った経験があるからこそ、ピアノより易しく感じる勉強が楽しくなるのです。

【楽しい学校生活にするために】
学校は、新しいことや知らないことを教えて貰う所であることを認識させ、先生の話をしつかり聞くことを習慣付けましょう。それに、集団生活のモラルを学ばせることも学校で楽しく過ごすための大切な条件になります。先生の指示に従い行動できるようにしましょう。
又、家庭学習において注意すべきことは、「時を逃さない」ことです。お子さんが「お母さん、これ教えて!」と言ってきたら「ちょっと待って!」「今忙しいの。あとにして!」は禁句です。瞬時に向き合ってあげることが大切です。解らないことをそのままにしない。必ず解決することを身につけさせたい。そのために、親はいつでも手を差し伸べてテストの前には解決しておくことです。その取り組みが習慣となれば、自立した時に大いに役立つでしょう。


【得意教科と不得意教科】
一般的に不得意教科に力を入れがちだと思います。私は得意教科をもっともっと伸ばすことを奨励したいです。好きなことは自らが求めて、より深く勉強していきます。「好きこそ物の上手なれ」ということです。◯◯のことなら誰にも負けない自信をつけることが大切です。そうなると余裕が出てきて、不得意教科にも自ら向かうようになるでしょう。

【悪い点を取ってきたら
子どもは何につまずいているのか見極めましょう。原因を見つけ出しおおよそ4つの原因が考えられます。
1、内容をどのくらい理解しているのか
2、試験準備が足りなかったのか
3、質問の意味が理解できていない
4、先生の教え方がわかりにくい
さあ お子さんのつまづきはどれでしょう。それによって対処法が違います。親は子どもにとって一番の理解者であり、相談相手でなくてはなりません。悪い点を取ったらお母さんに叱られる!という家庭環境は避けましょう。叱っても点は上がりませんので

【英語は国際原語】
世界は、学問も経済も政治も英語で回っています。音楽も英語に変わってきています。日本の英語教育も力を入れてきました。世の中に通用する英語力とは、具体的にどのようなことでしょうか。
1、自分の意見を伝え、相手の話が聞けること。つまり会話ができること。
2、英語を使ってリサーチして勉強できること。
3、レポートが書けること。
を目指すのです。英語を自然に身につけることができるのは8歳迄ですから、出来るだけ早くに英語習得の環境を作りましょう。



参加者の声
    ・母としての姿勢、心のコントロールの仕方などたくさん感じるものがありました。先生の話を聞くことで自分を顧みることができます。また我が子を客観的に見ることができ、とても価値のある時間です。目の前の大切な子どもに何が必要なのか、しっかり見極めて接していきたいと思います。
    ・わからないことは、その場で解決!! 子どもには「ちょっと待って!」はない。このことを日々の生活の中で、心に留めて母業頑張ります。
     母の心が乱れた時に「学ぶ会」で教えてもらったことを思い出しています。
     母親にとっても子どもにとっても「心の安定」があってこそなのだ!と痛感しました。子どもに対して今取り組んでいること、導いていることは「自分のため」なのか「子どものため」なのか常に問い続けようと思います。
      毎日余裕のない生活の中で子どもとの関わり方に反省させられました。子どもに常日頃余裕を持たせるためのガス抜きが大切だと改めて感じました。
     ・「親は子どもの一番の理解者であり相談相手でなくてはならない」自分がそのポジションであるか見直します。

      1でコンクールを経験し、それを毎年続けてきたことで培ったことから、宿題と自主学習は自主的に必ずやるようになりました。誉めてあげようと思います。大変なことを乗り超えることを、親子で経験していくことはとても大事なことだと改めて感じました。


ご参加くださった皆さん、ありがとうございました。感想やご意見も、いつも本当に参考になりますし、私も学ぶ所が多いです。今後も一緒に学んでいきましょう。よろしくお願いします。



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2017年5月21日日曜日

小倉郁子のバスティンメソッド解説〜②パーティシリーズPart2

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今回はパーティーシリーズの第2回めです。パーティーシリーズは3歳〜の導入テキストです。
この年代の生徒さんは、一人ひとりの成長過程に個人差があります。ですから同じテキストでも全員が同じように進めていくことは難しいことなのです。そこで私は、テキストの学習内容を

ウォーミングアップとして、レッスンの始めに歌を歌うことで馴染ませています。レッスンがスムーズに進行するように、前もってエキスを散りばめておくのです。もちろん復習にも役立ちます。グループレッスンでも個人レッスンでも使えるアイテムです。ご興味のある方はぜひ動画も合わせてご覧ください。

【ウォーミングアップ A】
    ⒈ みぎて  ひだりて   てをたたこう   (ピアノパーティーA p.2)  右手と左手の区別ができるように楽しく覚えます。
                            


    2.指番号のうた
            指の番号を覚えると共に1本ずつ指を出すことは、幼い子どもにとって意外に難しいことです。先生と生徒の掛け合いのスタイルを取っています。
                            

    3.音名のうた
             7音を覚える過程を3種類に分けています。生徒さんの習得状況に応じて使い分けして下さい。  
   


                                         

    4.音の高さを認識させる
  ① きかんしゃ  かぞく   (聴音&楽典パーティーA  p,9)

                                         
              ②  ながれぼし     (聴音&楽典パーティーA  p,16)

                                        

     5.音列のうた  A
  音の並びを覚えることは、それからの読譜の手助けになります。速度を上げても自然に言えるようにさせましょう。

                                       

     6.キーワードに即時反応
   ピアノの鍵盤は左右に長いものです。その条件のもと、子どもたちは指導者の使うキーワードに瞬時に理解して反応しなければなりません。子どもたちの好きな電車ごっこに見立てて学びます。

                                        


【ウォーミングアップ  B】
      1.音列のうた  B 
    Aで学んだものを反対から言えるようにします。

                                        

      2.ステップのうた           
              
                                                 

      3.スキップのうた        
    
                                                 

          読譜に入る前に習得すべきことはたくさんあります。テキストに出てきてからでは間に合いません。前倒しで「うた」を通して触れさせていきましょう。パーティーシリーズの対象年齢は3歳〜です。この時期は一人ひとりの生徒さんの成長に大きな差があります。生徒さん一人ひとりのカリキュラムを作ってあげましょう。生徒さんにとって初めてのおけいこです。“楽しい!おもしろい!”をモットーにレッスン
を進めて下さいね。正しい音、正しいリズム、美しい響きがわかる音に敏感な耳を養いましょう。




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2017年4月26日水曜日

〜小倉郁子のバスティンメソッド解説〜①概要

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前回までの「コンクールについて」を書き終えた後、ふ〜と力が抜けて桜🌸の美しさに見とれていました。気がつくと4月半ば。カツを入れて始動開始です。

 ここからはピアノ指導者として、バスティンメソードに関わる事をまとめてみようと思います。今回は初回ですので「バスティンメソードの概要」と「パティーシリーズの概要」をまとめることにしました。


【 バスティンメソード概要】

“バスティンメソードとは”
  *1970年代にバスティン夫妻によって創られました。単にピアノの演奏技術を身につけるだけでなく、音楽のあらゆる分野を学習しながら幅広い音楽体験が出来るように構成された総合教材です。

  *音楽のあらゆる分野とは何を指すのでしょうか。「ピアノパーティーガイドブック」を読んで頂ければ、バスティン先生の主旨がご理解頂けると思います。

 ⒈ テクニックの下地づくり
良い手の形を作り、腕・手・指の筋力を上手に使い、無駄のない動きで響きの良い音を出せるようにします。そしてその音を判断出来るようにします。

 ⒉ 鍵盤の完全な理解
鍵盤がどんな仕組みになっているのか理解させます。音には高・中・低がある、2つと3つの黒鍵、キーボードは7つの音の繰り返しが7回、それを5指ポジションで全調を経験させます。

 ⒊ リズムの基礎能力づくり
リトミックなどで身体で音符の長さ、重さ、広さを学ばせることは勿論、カードや線の長さで視覚的に音価を学ばせます。そして拍子感を身につけさせたいです。
           
 ⒋ 初見能力を養う
プレリーディング期間に、音符の動く方向に目を移し、リズムと指番号を一致させて弾きます。その時に声に出してカウントすることが出来るようにします。
           
 ⒌ 移調
キーボード上での移調は音程感覚を身につけることが目的です。

 ⒍ 和声分析・カデンツ能力を育てる
メロディーに対して1度とⅤ7の和声付けが出来るようにします。そしてカデンツ感を養います。
           
 ⒎ 聴音と即興の能力養成
音感の習得は早期にすることが大切で聴覚の発達には必要不可欠なものです。自分の出した音が正しいのか判断するための手段だからです。
           
 ⒏ 楽典の基礎知識
調性・音程・和声そして和声構成を理解させることを目的としています。それは楽典の知識が音楽を理解するために重要な条件だからです。
           
 ⒐ 様々な音楽スタイル
偏りのない多種多様な音楽に触れ感性を磨くように導きます。
           
 10. アンサンブルの重要性
パートナーと一緒に音楽を創り、心を合わせて演奏する喜びを養うことは勿論、バスティン先生は確実な初見能力と安定したテンポ感を身につける重要な手段であると位置づけています。


“バスティンメソードの特徴“
 バスティンメソードでは3つの事を柱にして学習するように構成されています。

    ①数こなし式
楽に弾ける曲を数多く宿題に出す。その結果、生徒はたくさんの曲を弾けた達成感が得られます。するとやる気が出て意欲的に練習するようになるので、読譜力や初見力が自然に身につくのです。因みにバスティン先生の1週間の宿題は約15曲位です。

    ②かみくだき式
一つの課題を基礎・応用・展開へとstep upするように構成されています。3種類のテキストと併用曲集によって、あらゆる角度から課題を学習出来ます。

    ③逆算式
生徒さんのゴールの姿から逆算して、現在の生徒さんに何が必要か見極めて指導します。


   生徒さんが名曲を弾くためにも88鍵の鍵盤を難なく弾きこなせなくてはなりません。そのために早期に全調を導入しています。この方法によって、早い段階から自分で学習する力を身につけることができ、「演奏を 楽しむ」という音楽の本質的な価値を理解することができるのです。


【パーティーシリーズの概要】

“パーティーシリーズとは“
 個人レッスン・グループレッスンでも使えるピアノ導入期の包括的な総合カリキュラムでのテキストです。

*読み書きの出来ないお子さんから可能なテキストです。
無理なく、楽しく自然にレッスンにとけ込み覚えていくように考案されています。

*プレリーディング方式から5線読みへと画期的なプロセスにおいて読譜を完成させます。

*1曲ずつ指導目的と指導方法が提示されたガイドブックが用意されています。


  🎹 ピアノパーティー
・鍵盤図やプレリーディング方式により、基礎知識を学び5線譜へと移行します。

  🎹 聴音と楽典パーティー
・プレリーディング譜で読譜の準備を行い、視覚的に対応できるようにします。
・ピアノパーティーで学習した事の定着のために「書く・弾く・聴く」をより深く実践するためのワークブックです。

 🎹 パフォーマンスパーティー
・学習内容をあらゆる角度から繰り返し学びます。

以上です。次回はパーティーシリーズAを取り上げたいと思います。お楽しみに‼︎


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2017年4月11日火曜日

ムジカノーヴァ(予告)!!

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 こんにちは。ここ最近は少しばかり固いお話が続いていましたね。しかも凄い長かった。。それでも読んで下さってありがとうございます。

 今日は有名な音楽雑誌の「ムジカノーヴァ」の宣伝をさせていただきます。次号5月号の一部の執筆を担当しました!
こちらのウェブサイトになります。



これまでも何回か執筆を担当していますが、今回はエチュードを題材に、手の小さな子どもにとって難しい跳躍進行の弾き方や、下行スケールの練習法について書かせてもらいました。決して大きなスペースではないのですが、ピアノの練習に励む多くの子どもたちのために私も一生懸命書きました。もうすぐ発売になりますので、ぜひ手に取って目を通していただければとても嬉しいです。皆さん、よろしくお願いしますね!


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2017年4月2日日曜日

豊かな人生を

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3ヶ月との長きにわたりコンクールについて書いてきましたが、ついにまとめの章になります。最後まで読んでくれるととても嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。

 偶然にも子育てとバスティンメソードに巡り会った時期、それに生徒をコンクールへと挑戦させるようになった時期が同じだったことで、私の教育モットーである「人づくり」の基本ができました(こちら)。そして長らくピアノを通して子どもの教育に携わる中でコンクールが人づくりに大きな好影響を与えることに気がつきました。「ペダルは使い方一つで良薬にもなる」とピアノ演奏において言われているのと同じく、コンクールも考え方や使い方に充分な配慮が必要なことは確かだと思います。しかしそれでも私が子どもの教育にコンクールの活用をお勧めするのは、コンクールが人づくりにとても効果的だからです。もちろんとても良い意味においてです。

 では具体的にお話しましょう。まず大人の私が常々考えいるのは、子ども達のおかれる境遇です。今の子どもたちが活躍する社会は良くも悪くも競争社会です。それを避けることはとても難しいでしょう。一時期ゆとりを持った教育環境をという考え方が世間を賑わせましたが、今ではその揺り戻しとも言える競争社会が見直されてきていますね。そして更に、あまり良い言葉ではありませんが、格差という言葉も随分と耳にするようになりました。そのような社会で生きていくためには、逆境にもめげず挫折を経験してそれを乗り越える術と知恵を身につけさせたいものです。それには少々厳しい条件のもとで学ばせることが良いと思い、40年ピアノ教育を続けて来ました。以前にもお話したように、コンクールは家庭内で取り組めること、他の習い事より早く始められること、そして本気になれること、しかし命の危険性は無いことなどの素晴らしい好条件を満たしており、子どもを上手く導くための教育ツールにはもってこいと言えます。(こちらをご参照ください:,,)音や音楽に集中して判断することは、人の話を聞く、注意深く物事に取り組むなどその後の成長に大きく影響します。また音楽やリズムに合わせて歌う、身体を動かすなどの表現を学ぶことは心の開放を促します。そして多くの人の前で演奏を披露することは、自分の意見や考え、その他まとめあげた事を発表するなど、プレゼンの要素を養っているとも考えられます。ここで、昔から「三つ子の魂百まで」と言われるように、その子の本質は3歳までに形づくらると言う事を忘れないようにしましょう。そのために子どもができる事は、適切な時期を見計らって着々と養っていく事が必要だと考えています。その意味では、ピアノにはお勉強よりも随分と早期に始められると言うメリットがあります。お勉強を始める前の基礎作りと考えても良いとでしょう。その上でコンクールの使い方について私の考えをまとめてみたいと思います。

 私が考えるコンクールの目的は次のようです。子どもと親に分けて書いてみました。
【子ども  】
① 自分を高め、自分の限界に挑戦することの喜びと尊さを知る
     目標に向かって毎日コツコツと努力する姿勢を身につけ、自分を磨くことに労を惜しまない 。何事も前向きで一歩一歩自分の人生を切り開いていく力と精神力を養う。またどの位努力しないと公には認めて貰えないのかを体感する。  そして自分より努力している人が多勢いることを認め、謙虚な心を持って日々の努力を全うする。 
 ここで小2男の子の、ピティナの全国大会の結果発表のときの経験談をご紹介しましょう。お陰様で銅賞の発表で名前を呼ばれました。喜びと安堵感に浸っている時に、隣の女の子から「何時間練習したの?」と聞かれたそうです。そこで彼は「6時間」と答えると「私は8時間」と返答したそうです。そして彼女は銀賞で名前を呼ばれたのです。その一瞬の会話が彼の中に強く印象付けられ教訓となりました。頂点に登り詰めてきた方々が作る身の引き締まる環境を、身体で感じることが大切なのです。その後の彼は自らが頂点を目指す努力をするようになりました。

② 強い精神力と冷静な判断力を身につけ、自立への道へ歩む
   ピアノは人前で演奏するという宿命があります。本番の数分の演奏のために何百時間という時間をかけて練習します。そしてそれまでの集大成として1回だけの演奏に力を注ぎます。極度な緊張に耐え、自分の実力を出し切ることの苛酷な挑戦です。どんなアクシデントが起きても、その場で判断して対処しなければなりません。そのような体験は本番でしか出来ないのです。マインドコントロールを身につけるのは実に大変です。経験が物を言います。その経験量を増やすためにも幼い頃から「本番」を経験させた方が良いでしょう。加えて小さい子どもの吸収力というのは大人の想像を超えていくことが多いものです。大人が心配を感じるような思い切った挑戦や経験でも、驚くべき力を発揮して貴重な経験を吸収する逞しい子どもの姿を見るのも、実は珍しくはありません。そうやって得た経験はその後、学校でも社会でも大いに役立つでしょう。
 ここである生徒の例をお話します。中1の女の子が英語のスピーチコンテストに挑戦しました。母親の話によりますと発音が特別きれいというわけではなかったそうです。しかし間の取り方、表情のつけ方、強弱のコントラストなどピアノで学んだパフォーマンス力が自然な形で表され1位を頂けたそうです。きっとこの女の子は私の目の届かない場でも、自己表現の巧みな子に育っているんだと思います。ピアノはピアノのためだけに習うのではないと言う非常に良い例で、大変嬉しく思います。


【親・家族】
① 子どもの真の姿(性格)を見極め子育ての方向性を掴む
    コンクール本番までの練習過程では、目的意識が弱く練習しない、時間はかけているが集中した練習ではない、応用性がないため効果が上がらない、素直だが指示を待っているなどの問題点が見えてきます。そして粘り強いか、打たれ強いか、目標意識があるか、飽きっぽい、諦めが早い、依存している、負けん気が強くがまんが出来ない、プライドが高く失敗を認めない、失敗を人のせいにしてしまう、欲が無い、自信が無いなど子どもの性格が見えてきます。子どもを上手く導いて行くには、早くから子どもの長所や短所を知ることが大切だと思います。

② 子どもに対しての接し方や対処法を学ぶ
    性格は環境によって作られるものだと思います。自我が芽生えてくると自らの力で改善できます。しかしそれ以前は、親やその子に関わる周囲の者がより良い環境を与えて育成していくべきでしょう。子どもは日々成長しています。その成長と共に、親としてどのように接するべきかを常に考えて行動しなければなりません。子どもとの距離をどのくらい取り、リードしていくのが良いのか手探りの経験になります。親も、子どもをよく観察して冷静に対処するテクニックを身につけなくてはなりません。そのためには、親にもキャリアが必要です。子どもの成長と共に接し方や対処法は変わります。コンクールを上手く使って日々その方法を探るというのを私はいつもご両親に勧めています。こういった親の試行錯誤の経験は、子どもの受験時など、子どもにとって人生の一大事の際には大いに役立つと思います。

 以上これまで書いてきたように、コンクールは親にとっても子どもにとってもまさに修練の場です。多くの年配のお父さんお母さんならお分かりのように、子どもが親の導きに素直に応じてくれるのは反抗期までです。子育てに躓かず、上手に子どもを導くには反抗期までがタイムリミットだと考えないといけません。ですから集中して効率よく、身につけさせる事を徹底的に教え込まなければなりません。反抗期までに習得できれば、その後は自分の足で考え、判断して歩き出します。それが自立です。コンクール参加は究極の自立への準備なのだと私は考えています。このようにコンクールを使って親子で奮闘する経験を積んできた人は、小学校高学年頃になりますと「成功へのサイクル」を身につけている事にいずれ気づくでしょう。

          継続 ⇨ 努力 ⇨ 達成感 ⇨ 喜び ⇨ 自信 ⇨ 継続

 このサイクルはピアノだけでなく、勉強にもスポーツにも、もちろん遊びにも当てはまります。自らこの喜びや自信を求めて歩き続けます。このサイクルを身につけた人は、何事にも前向きに取り組むので、結果的に成績も優秀な生徒さんがとても多いです。豊かな人間性も兼ね備え成長します。既にその土台が作られているのです。
 例えコンクールで残念な結果になってしまったとしても、何の心配もいりません。このサイクルの継続と努力の所で、学ぶ方法や身体的および精神的成長のバランスが整なわなかっただけです。ですからもちろん、子どもを責めるようなことはありません。私の生徒さんでも残念ながら努力が結果に繋がらなかった生徒さんはたくさんいます。しかし、こういう時ほど親と指導者が手を取り合い、お子さんの成長に応じて小さなステップを一つずつ越えていく事を教えていこうと私は努力しています。大きなステップは小さなステップの積み重ね以外にありえないからです。そして達成感をご本人が感じられた時に、このサイクルが完成へと向かう大きな一歩に繋がります。その間は少々苦しい日々が続きますが、ここがお母さん、お父さんの力を一番必要とするところです。焦らずお子さんの性格を見て、いつでも楽しく練習ができるよう工夫をして「努力する楽しさ」を教えていけるように講師である私も心がけています。決して他のお子さんと比較しない事‼︎ これを始めてしまうと後戻りできない失敗へと繋がってしまいます。お父さんお母さんの焦りの気持ちはとてもよく理解できるのですが、そう言った焦りは子ども自身が肌身で直感的に感じているものです。子どものために自分のお子さんだけを見て付き合ってあげましょう。この時期が人づくりにとって一番大切なときです。人づくりの土台を作っているのですから…。私の教室ではそのような事にも常に気を配ってレッスンしています。これが冒頭に書きました、コンクールも考え方や使い方に充分な配慮が必要、と言うことです。
 そしてそのサイクルがいったん完成した後は自分の歩む道を真剣に考え、子ども自らが選択していきます。自分の人生に責任を持ち、楽しみながら歩み続ける術を習得しているのです。そして意欲的に社会貢献しています。それを習得出来たのはコンクールに果敢にチャレンジして自分と闘った結果です。このようにピアノという世界にとどまらず、人として豊かな人生を送るための土台づくりのお手伝いをすることが、私の本当の役目だと自負しています。

 これからコンクールに挑戦してみようと思った生徒の皆さんが、コンクールでの経験を上手く利用して豊かで満足できる人生を送れる大人へと成長できるように、精一杯応援していきたいと思っています。コンクールは成長を目的とした物から本格的なプロを目指すのを目的としたものまで様々です(参考にこちら)。子どもの成長に合ったものを選んで挑戦してみたら良いかと思います。そしてここまで熱心に読んでくれた多くの皆さんも、ぜひ失敗を恐れずにチャレンジしてみてはいかがでしょう。
(その他のコンクール関連の記事はこちらこちら
(コンクールの成績はこちら:生徒さんの進路はこちら




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2017年3月9日木曜日

コンクールの成績

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※2017年度のコンクールの成績は→こちら←です
※2018年度のコンクールの成績は→こちら←です
※2019年度のコンクールの成績は→こちら←です
※2020年度のコンクールの成績は→こちら←です

 どんなことでも目標を立てて努力することは、子どもの成長(両親や教師から見れば人づくり・教育)にとって大変有効だと思います。ピアノは幼少期の早い段階から学ぶことが出来るので、お勉強よりも早い時期に努力する姿勢を身につけられますし、貴重な成功体験を早いうちに体験させることもできます。ですから私の教室では多くの生徒さんが幼少期の頃から精力的にピアノ学習に取り組んでいます。
 一方、コンクールは同じ年頃の方々と同じ課題に取り組み、同じ目標に向かって成長し合うツールです。しかも全国エリアでの学習は、そう出来ることではありません。学習が進むと、時には世界の人々と学習する機会もあります。広い視野で自分を見つめ、自らが自分の道を切り開いていく経験を積んだ生徒さんは、コンクール以外の場でも着実に自分の自信につながる成果を上げています。最終的にピアノを頑張った私の生徒さん達は、それぞれが満足した道へと進んでいます。(進路については→こちら
    生徒さん一人ひとりの頑張った成果を詳しく紹介したいのですが、本当に嬉しいことに数が多すぎます。ここでは簡単にコンクールでの成績を紹介したいと思います。

ピティナコンペティション
  予選優秀賞 200名
      1位 17名   2位 10名   4位  3名    5位  2名 など 
  本選優秀賞  55名
      1位  6名    2位  8名   3位   5名    4位  4名   5位  2名 など
  本選奨励賞  48名
  本選優良賞  28名
  全国決勝大会出場   21名
      優秀賞  5名     銅賞   3名      ベスト賞   3名 など
  副賞   東日本栃木本選  1位  3名    2位  8名     3位  6名     4位  4名      5位〜  9名
            東北本選    7位
            東日本埼玉本選    2位    6位
            須賀賞   8名        栃木支部長賞   13名        
    栃木連合会長賞     4名        
            宇都宮市長賞    5名        佐野市長賞    4名       
    下野新聞社賞     6名       読売新聞社賞
    福島民友新聞社賞   埼玉新聞社賞    JR東日本賞    3名          デュオ最優秀賞    2名
            足利連絡所賞      熊谷支部長賞      福島テレビ賞       
       オンダ楽器賞    8名     上野楽器賞
            ロマン楽器賞    3名       集英堂楽器賞       
      ヤマハ小山店賞    3名       カワイ楽器賞   3名
            和光楽器賞    3名      ミリオン楽器賞    6名       
    教育楽器賞       全音楽譜出版社賞   
            サンリツ賞    2名      タカノ賞    2名       白石賞    3名          大貫賞        東IMC賞
            埼玉スバル賞    2名
                       など

栃木県ジュニアピアノコンクール
   最優秀賞      優秀賞   8名       奨励賞    7名

栃木県学生音楽コンクール
   小学校低中学年の部    1位      2位      3位  2名      5位  
   小学校高学年の部       1位  2名      3位       5位
   中学校の部                  2位      4位      5位 
   高校の部                     1位     3位
                       など

栃木県ピアノコンクール
   ソロ部門           1位  2名       2位       3位   
   プレ部門            金賞  3名      銀賞  3名       優秀賞  2名
   コンチェルト部門     1位   宇都宮市長賞
                        など
                    
ショパンコンクール in ASIA
   地区大会       金賞       銀賞  5名       銅賞  4名
   全国大会       奨励賞
   アジア大会   銅賞       努力賞  2名

日本クラシック音楽コンクール
    本選出場     小学生  5名        中学生  5名
           高校生  3名         大学一般  3名
    本選好演賞  4名        本選優秀賞  3名
    全国大会出場      5名

日本バッハコンクール
   全国大会      金賞       銀賞        銅賞         奨励賞  2名

ブルグミュラーコンクール
   全国大会      銀賞

北本ピアノコンクール
   本選        1位        2位  2名       教育長賞

ヤングアーチストピアノコンクール
   銀賞(1位なし)     銅賞        優秀奨励賞  2名      
    4位       7位        9位      入賞  5名

全国町田ピアノコンクール
   3位    審査員特別賞

彩の国埼玉ピアノコンクール
   奨励賞

全日本ジュニアピアノコンクール
   3位

ヨーロッパ国際ピアノコンクール
   ディプロマ賞

日本ベートーヴェンコンクール
   セミファイナル     銀賞  10名
   全国大会                3位       ディプロマ賞        奨励賞  2名

日本ピアノコンクール 
    中級の部         3位
    上級の部         最優秀賞       2位        6位
    特級の部         最優秀賞       3位

ジュニアピアノコンクール
    大賞  2名       最優秀賞  7名       栃木県知事賞  2名      
    栃木県教育長賞      宇都宮教育長賞  2名
    読売新聞社賞  2名       審査員賞        優良賞
    2台ピアノ部門      グランプリ

イタリア マッサローザ国際コンクール
   2位

ル・ブリアンフランス音楽コンクール
   審査員賞

Music Stadio C  ピアノデュオマスタークラス

   最優秀賞  



これまで、本当にたくさんの生徒さん達が頑張ってくれました。生徒さん達の喜びは私にもすぐに伝わります。こうやって私にたくさんのエネルギーを与えて来てくれた、生徒さん達みんなに感謝しています。そしてこれからも、生徒さん達がたくさんの成功を体験できるように、また、コンクールというツールを上手に利用しながら自らが成長し、満足のできる進路に進めるよう、お手伝いして行きたいと改めて思っています。



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2017年2月22日水曜日

さあ、やってみよう!!

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ご相談はこちらから
utsunomiya.pianosensei@gmail.com
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   子どもを育てるということは、人を育てるということです。子どもの成長過程に、大人がどのように導くかということはとても重要なことです。その全てを親だけで導くことは難しいことでしょう。子育ては、お子さんに関わる総ての力を結集して育てていくべきだと思います。その一つがコンクールです。コンクールは人づくりに必要なことが多く経験できるからです。
   さっそくコンクール編 第3回め「子どもにとってのメリットについて」お話しましょう。

①目標をもって努力することを知る
   「この曲をこんな風に弾けたら最高‼︎」という目標に向かって「コツコツと努力して感性を磨く」または「美しい表現を求めて自分を磨く」ために努力するのです。なんて素敵なのでしょう。これこそ情操教育です。そこに価値があると思いませんか。そのために具体的な練習目的を明確にして、小さなハードルを一つひとつ越えていくのです。その結果、努力する喜びを知ることになるでしょう。

②向上心を養う
  子どもは好きなことや興味のあることに夢中になっている時は、想像以上の成果を上げることがあります。その時は想像力・創造力や集中力などが溢れている時です。自分の限界に挑戦しているのです。その能力をあらゆることに使えるように養いたいものです。現状に満足することなく、向上心をもって自らが完成度を高めていくことになります。特にコンクールは同年代の人の演奏を聴くことで、多くの刺激を受け相乗効果を上げることができるでしょう。

③時間の管理を身につけることができる
   今の子ども達は、とても忙しい毎日を過ごしています。ですから効率よく時間を使うことを身につけさせたいですね。毎日の日課の中で、優先順位を決め、限られた時間のやりくりすることを学びます。コンクールの時は尚更、ピアノの練習時間を確保しなければなりません。その日にやらなければならないことを、きっちりとやり切るために身をもって学びます。

④自己管理を習得できる
   コンクール当日は、不安と期待の交錯する気持ちを抱えてステージに上がります。それまでの努力の成果を認めてもらうために、実力を出し切ることに集中します。本人の心中はとても複雑です。どんなに周りの者が励ましても自分自身でコントロールするしかないのです。その訓練は本番でしかできません。どんな不安やアクシデントにも打ち勝つ強い精神力と、冷静に対処できる判断力をも養います。事前の準備や当日のマインドコントロール、コンクール後の心の整理など自己管理を学ぶのに良い機会となるでしょう。

⑤結果を謙虚に受け止める大切さを学ぶ
   完成度高く仕上げ実力を発揮したとしても、思うような結果を得られない場合があります。その時は、自分よりももっと努力した人がいることを認めなくてはなりません。常に冷静に判断し、結果は真摯に受け止め次へのステップの糧とする考えを学びます。そのような謙虚な姿勢は人づくりの基となるでしょう。

   コンクールは参加型学習の場です。演奏当日を迎えるために精一杯の努力をして準備します。その過程だけでも集中力・判断力・応用力・想像力など多くのことを身につけることができます。そしてアナリーゼや想像力を活かして描かれたイメージを、音で表現するためのテクニックを習得して本番を迎えます。演奏前・演奏中・演奏後の精神的なコントロールを経験して身につけます。そのような経験を重ねることで強い精神力を養います。
   このようにコンクールは人づくりにとって経験させたいことを、コンパクトに体験することができます。期間限定での取り組みであること・そして結果が出ることなどの条件により、実に効率良く身につけることことができます。窮地に立たないと本気にならない方は多いのではないでしょうか。私もその一人です。敢えて、子ども達を成長させるためにコンクールという場を借りて育てましょう。私の経験では人づくりのためのコンクールチャレンジは小学生時代が適していると思います。反抗期が始まると思うような効果が上がらないからです。
   そしていつの間にか心から音楽を愛する人に育ってくれます。それは音楽は心の表現だからです。最後に私の大好きな言葉で締めたいと思います。

“自己表現は心の開放である”



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