2023年10月28日土曜日

ほのぼのとした話

 今回は中学2年生のほのぼの話をしましょう。

近年の中学校では、合唱コンクールの伴奏者をオーディションで決めるのはご存知かと思います。最近の合唱曲はポップス系が多く伴奏も難しい。Aさんは夏休みを利用して伴奏曲の練習をしました。しかし残念ながら伴奏者には選ばれませんでした。その時点で伴奏曲のレッスンは終了していましたので、私はすっかり忘れていました。先日合唱コンクールの結果が出たと報告があり、なんとAさんのクラスの伴奏者が伴奏賞だったというのです。私はその結果を聞いた時に、余程上手な生徒さんなんだなぁと思いました。

ところが、Aさんが私のレッスンで受けたことを伴奏者に教えていたというのです。クラスのために一致団結し協力して一つの目標に向かう中学生の姿が見えたような気がします。私は惜しみなく自分の持っている知識や技術、経験を人のために提供できるように育ったAさんを誉めてあげたいと思いました。一般的には自分が選ばれなかった悔しさが先に立ち、気づいていても口をつぐみ協力しない人の方が多いのではないでしょうか・・・

 もう一人の中学生Bさんは、私のレッスン室でのCさんとのやり取りの話です。
 偶然にも他の学校のCさんとレッスンが前後になりました。今までに面識はなかった2人のはずです。同じコンクールに挑戦していたことでプログラムで知ったようです。
 Bさんは通過できず、Cさんは通過という結果でした。するとBさんが「同門の仲間として頑張って!」とエールを贈っているのです。Cさんは私のところに来て間がなく、知人も友人もいない状況でした。そのCさんが「がんばれ!」と声を掛けられ、嬉しそうに応えている姿が微笑ましかったです。声も弾み、めずらしく明るいCさんを観ることができました。Bさんの人を思いやる優しい心とCさんの素直に受け留める姿を見て、中学生の真っ直ぐな成長を見られ私も嬉しくなりました。

 「ピアノ教育は人を育てる!」をモットーとしている私ですが、成長している一面に遭遇できて心から嬉しく思いました。一つのことを一途に頑張ることは、とても大変です。その過程で経験する多くのことから生徒たちは、ひと回りも二回りも大きく成長します。
 今回の2人の生徒さんは、自分の結果はよくなかったけれど、友人のために心を尽くすことができています。それは豊かな心と余裕があるからです。音楽の素晴らしさをしっかり習得している証でしょう。これからの社会を担っていく子供たちに、人生の先輩としてエールを贈りたいです。

「あなたたちの未来は輝いている!!」と。

IKUKOでした。

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