2025年9月20日土曜日

夏のコンクールの結果と夏の学び

今年の夏の報告をします。

 今年のピティナコンペティションでのホープは橋本花愛さんです。

本選優秀賞を受賞することができました!

 中2年の冬に「ピアノが上手になりたい!」と抱負を話してくれた彼女を今更ながらに思い出します。
 しかしレッスンを始めてみると、「白い音符は長い音符。黒い音符は短い音符。」という程度の理解力で楽譜を読解すること、そしてそれを音で表現することを身につけるには、時がかかりました。その彼女が今年は、自らが選曲をし自己管理をして、最低のレッスン回数で全国の一歩手前まで登り詰めました。安定した実力と精神力、ぶれることの無い信念と努力の賜物でしょう。本物の実力をつけ成長してきました。彼女の惜しみない努力に脱帽です。

 コンクールの結果は一瞬の評価に過ぎません。特に小学生までは本人というより、保護者や指導者のサポートに支えられています。ですから運よく良い結果が得られたとしても、「結果=実力」にはならないケースも多々あります。ですから結果に一喜一憂することなく、努力を続けて欲しいのです。我が教室では中学生からの保護者同伴の入室は禁止です。親から離れ自立し、自らの力で責任を持って努力することを学んでほしいからです。

音楽は自分の中から生まれるもの。人間性と強い意思に他ならないのです。彼女は中学3年からのスタートでしたら、歩みは遅いですが理想的な成長形だと思います。ピアノによって、自分を磨き成長させ一回りも二回りも大きくなりました。
本当に受賞おめでとうございました。


8月29日(金)



 NHK大河ドラマ「べらぼう」で本県の栃木市で、喜多川歌麿が名作を制作していたことを知り蔵の街栃木市に行ってきました。私の貧弱な浮世絵の知識を一変することになりました。浮世絵は版画であり一つの作品を作るのに版元(企画者)、絵師(完成形を描き色を指定する役目)、彫師(板木を彫る)、摺師(板木に色をつけて摺る)という4工程あり、分業制で制作されていました。私には絵師の存在しか見えていませんでした・・・(苦笑)

 栃木で制作されたという作品を間近に観ると、ものすごく大きく超大作だったことを実感しました。多くの人の技の結集しての作品と感服しました。歌麿の繊細な流れの美しいラインは、彫り師による技術で柔らかなラインとして表現されており、目を凝らして観入ってしまいました。

 浮世絵といえば風景画も有名ですね。千円札の裏側に採用されている葛飾北斎の「神奈川沖縄」は馴染みのある作品です。北斎に続き歌川広重による「東海道五拾三次」などが刊行され、浮世絵のジャンルが広がっていきました。
 それが日本だけでなく、ヨーロッパへも影響を与えることとなるのです。19世紀後半にヨーロッパで「ジャポニズム」として大きなブームを巻き起こしました。モネ・ゴッホ・ドガなど当時のヨーロッパの多くの画家たちがインスピレーションを受けています。音楽の方でもドビュッシー が影響を受けたのは有名です。改めて版画「塔」や前奏曲第1巻「沈める寺」などを学び直したいと思いました。
今夏の嬉しい学びとなりました。



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