2024年10月30日水曜日

集中力の持続に特化するやり方

 集中力は年齢+1分と言われています。皆さんご存知ですか?

 幼児でも5〜6分は集中することが出来ることになります。
幼児が弾く曲で、5分もかかるものはありません。どんなに長くても2分程度。

従って導入期の生徒さんも、集中力をもって最後まで弾き続けることが可能なのです。
しかし、現実は曲中いくつかの注意箇所をクリアーしながら最後まで弾くことは難しいのです。
例えば曲中に3箇所の注意箇所があるとします。子供たちは、3つめの注意箇所の前辺りで集中力が切れてしまうことが多いです。
導入期から注意すべき箇所を忘れずに弾く訓練をすることは大切なことのように思えます。
 
   私の教え子の話をしましょう。幼い時から練習は嫌い。ピアノの周りには常にいるのだそうですが、練習はしない。お母さんが何度も促しても長い時間はやらない。
   音楽的才能がある生徒さんだったので、私としてもレッスンのたびに練習をするように指導していました。
   その彼女が本気で練習を始めたのは高校3年生。音大受験を決めたからです。
幼い頃からピアノの練習に長時間費やすこと知らないで育った生徒だったので、一抹の不安を抱きながらも自らの才能を伸ばす道を志すことを選択したことが嬉しかったことを覚えています。
   彼女は通常の音大受験生のように長時間練習することはなく、仕上げて行きました。練習時間は短くとも、ピアノ演奏に必要な技術、音楽理論、表現力などのレッスンは習得していましたので、無事に合格しました。
   受験終了後、練習時間を尋ねるとニヤっと笑って教えてくれません。そこで彼女が発した言葉は衝撃的でした。何と「私は日々集中力を1分でも長くするように練習してきた。弾き出したら弾き終わるまで集中力を切らさない事に努力をしてきた!」と。
   私は驚きで一瞬言葉が出ませんでした。それまで時間で管理しようとしていたことを省みました。そしてこのような努力の姿があることを知らされました。
   現在彼女はピアニストとして活躍しています。指導者として彼女の才能を摘み取らないでこられた事に安堵しています。
 集中力をどのように養い使うかは様々です。集中力が1時間も2時間ももつ人はいません。
   音楽は精々30分弱。彼女の1分でも長く集中するというコンセプトに音楽は適していたのかもしれません。これから受験期に入ります。勉強も集中力が必要です。
   だらだらと長時間やっても効果が上がらないことも多いです。視点を変えてみてはいかがでしょう。

IKUKOでした。

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