2024年11月20日水曜日

ボランティアコンサート

 朝夕冷え込む季節となりました。その反面紅葉が進み、木々も色鮮やかに彩られています。

晴天に恵まれた11月4日、宇都宮短期大学音楽科の学生に引率してボランティアコンサートに行ってきました。
 特別養護老人ホーム「とちの木荘」において40名以上の施設の方々とともに
和やかで温かい空間を作ることが出来ました。

フルート・琴・歌・ピアノとバラエティな編成で華やかなステージを繰り広げました。
そして音楽療法の学生が、身体活動のコーナーを設けてリフレッシュして頂きました。

学生も初めての経験で緊張とともに始まりましたが、音楽とともに打ち解けコミュニケーションも取れる様子を垣間見て、学生の成長を感じました。
自らが専門として学ぶ音楽で社会貢献出来たことは、これからの人生に大きく影響することでしょう。引率者として嬉しい一日でした。







最後に、とちの木荘から、ケーキとコーヒーをご馳走になりご満悦の笑みでした。



2024年10月30日水曜日

コンクールは人づくりのツール

 お天気が不安定で、秋晴れの日が少ないのは残念に思います。

でも秋の味覚は十分に堪能していますよ。
 先日10月20日には、仙台大崎地区ブルグミュラーコンクールの審査員として伺いました。120名の熱演を聴いてきました。参加者一人一人が真剣に取り組んでいる演奏に楽しく聴かせていただきました。

     


 毎年思うことですが、ブルグミュラー以外の課題曲は実にバランスよく選曲されていると感じます。わずか1ページ足らずの作品ですが、技術的にも表現的にもポイントがあり聴いていて楽しく、馴染みやすい作品が選ばれています。相当の時間と労力を持って選曲されているのだろうと察せられます。選曲者に脱帽です。コンクール参加者もブルグミュラーは勿論のこと、課題曲でのチャレンジでも確実に実力をつけられる絶好の機会になることでしょう。

 コンクールは人づくりのツールです。コンクール当日の数日前からマインドコントロールをして、集中力を高め実力を発するために調整していきます。この行為は年齢に関係なく、自らを高めるためにチャレンジすることで経験を増やすのです。
 自分を追い詰めていく経験から多くのことを学び、強い精神力を身につけます。今年もその成長を見せてくれた教え子がいました。不安との闘いに打ち勝って当日を平常心で迎えられるように導くことの難しさ。それを経験した親子でした。
 お母さんもお子さんの気持ちを諭すことができました。苦しい経験を乗り越えた親子に拍手を送ります。コンクールを上手に使って人づくりしましょう。


IKUKO

集中力の持続に特化するやり方

 集中力は年齢+1分と言われています。皆さんご存知ですか?

 幼児でも5〜6分は集中することが出来ることになります。
幼児が弾く曲で、5分もかかるものはありません。どんなに長くても2分程度。

従って導入期の生徒さんも、集中力をもって最後まで弾き続けることが可能なのです。
しかし、現実は曲中いくつかの注意箇所をクリアーしながら最後まで弾くことは難しいのです。
例えば曲中に3箇所の注意箇所があるとします。子供たちは、3つめの注意箇所の前辺りで集中力が切れてしまうことが多いです。
導入期から注意すべき箇所を忘れずに弾く訓練をすることは大切なことのように思えます。
 
   私の教え子の話をしましょう。幼い時から練習は嫌い。ピアノの周りには常にいるのだそうですが、練習はしない。お母さんが何度も促しても長い時間はやらない。
   音楽的才能がある生徒さんだったので、私としてもレッスンのたびに練習をするように指導していました。
   その彼女が本気で練習を始めたのは高校3年生。音大受験を決めたからです。
幼い頃からピアノの練習に長時間費やすこと知らないで育った生徒だったので、一抹の不安を抱きながらも自らの才能を伸ばす道を志すことを選択したことが嬉しかったことを覚えています。
   彼女は通常の音大受験生のように長時間練習することはなく、仕上げて行きました。練習時間は短くとも、ピアノ演奏に必要な技術、音楽理論、表現力などのレッスンは習得していましたので、無事に合格しました。
   受験終了後、練習時間を尋ねるとニヤっと笑って教えてくれません。そこで彼女が発した言葉は衝撃的でした。何と「私は日々集中力を1分でも長くするように練習してきた。弾き出したら弾き終わるまで集中力を切らさない事に努力をしてきた!」と。
   私は驚きで一瞬言葉が出ませんでした。それまで時間で管理しようとしていたことを省みました。そしてこのような努力の姿があることを知らされました。
   現在彼女はピアニストとして活躍しています。指導者として彼女の才能を摘み取らないでこられた事に安堵しています。
 集中力をどのように養い使うかは様々です。集中力が1時間も2時間ももつ人はいません。
   音楽は精々30分弱。彼女の1分でも長く集中するというコンセプトに音楽は適していたのかもしれません。これから受験期に入ります。勉強も集中力が必要です。
   だらだらと長時間やっても効果が上がらないことも多いです。視点を変えてみてはいかがでしょう。

IKUKOでした。

2024年10月1日火曜日

大城依子先生によるリトミック講座

 雲一つない秋晴れの日が続く今日です。秋の空気感、なんと清々しいことか・・・

 今年も先月23日に大城依子先生によるリトミック最終講座が行われました。リトミック界の第一人者である大城先生のお話は、リトミック暦の浅い方から経験豊かな方までどなたにも深く心に響くものでした。そして最終講座に相応しい「リトミッックとは?」と改めて問いかけられ原点に立ち返る内容で幕を閉じました。



 参加する方々の目的は様々。リトミック講座は初めてという方は、基礎的な拍子や音価を身体で表現する経験をしていきます。参加回数が増えるごとに、歩きながらピアノの音に身体が即時に反応できるか真剣にピアノの音に集中します。複雑なリズムの変化に反射神経をピリピリさせながら運動機能を養います。それから、時間的空間の扱い、エネルギーの実感、コミュニケーション、身体と脳の鋭敏さを体験していきました。そして今回は、形式・8分の12拍子に乗りつつ動的造形に挑戦しました。音楽を学ぶ上で必要な要素を頭ではなく、視覚・聴覚・触覚を関連づけて表現することの学びでした。

 指導者の学びは生徒さんのレッスンに直結します。知識としての理解だけでなく、実際に身体で動いてみると8分音符の軽快さや全音符の大きさ、深さ・重力など実感できます。それが響きとして空間に放たれる音になるのです。そのような感覚を磨くことが、音楽を奏でる全ての方々の演奏に大きく影響を与えるでしょう。つまり身体が楽器になり変われるような感覚です。そのためのノウハウを常に身につけ磨くことが、私たち指導者に課せられた課題であると思います。その学びを生徒さんに還元することをやり続けなくてはいけないことを、大城先生から学びました。大城先生も「日々リトミックやピアノの勉強を続けます!!」と言い添えてお帰りになりました。どの道も極めるためには鍛錬を積むことが大切なのです。


IKUKOでした。

2024年5月16日木曜日

2024年5月の活動報告:ピティナピアノステップと教え子たちの演奏会

あっという間に桜そしてツツジの花の時期が過ぎ、新緑の季節となりました。昨日の雨で空気が澄み渡り、雨露で若葉が光り輝いています。
 新学期の始まりと共に怒涛のような1ヶ月となりました。公私ともに忙しい毎日で、ようやく一段落。このブログの更新に至りました(苦笑)

5月5日(日)ピティナピアノステップ 大崎春季地区アドバイザー
 窓を開けるとカエルの鳴き声が聞こえるのどかな風景の中の「中新田バッハホール」での開催でした。音響の良いホールでのお仕事でした。

そこでなんと宇都宮短期大学の卒業生2人がスタッフとして活躍する姿を見せてもらいました。長年アドバイザーとしてあらゆる地区に伺っておりますが、「宇短大卒です!」とご挨拶いただいたのは初めて。現在も宇短大生を社会に送り出している者としては、何より嬉しい出会いでした。ステップ運営の核となるポジションを責任を持ってしっかりと仕事をしている姿は誉でした。

学生時代は親元から離れ勉学に学んでいたお2人。自活した経験は人を大きく育てます。そして故郷に戻り、立派なピアノ指導者となり、ステップ運営のスタッフとして社会貢献をしている卒業生に心からエールを贈ります。

写真①  大崎みちのくステーション代表の熊谷先生とアドバイザー


②  宇短大卒業生の工藤先生・玉井先生と

5月12日(日)栃木県新人演奏会
 恒例となりましたこの演奏会。関東圏内の音大学長から推薦を受けた栃木県出身の新卒業生による演奏会です。
   




 ピアノの村上琴音さんは2年前には宇短大から、そして今回は編入先の東京音大から推薦をいただき2回目の出演となりました。2つの大学の学長推薦を受けられたことは快挙です。私の手を離れ、東京音大で研鑽を積み実力を認められての出演。常に前向きで自分の目標に向かい、一途に練習を重ね今日に至っています。これからも夢を追いかけ続ける琴音さん。夢を叶えられるようにずーっと応援しているよ!



 二人目は声楽の林大熙さんです。宇短附高音楽科を教育音楽科で入学。その後転科を経て東京藝大に進学した彼。中3年生の時に私のところにきましたが、マルチタイプでピアノと合唱、吹奏楽もやっており何を専攻するのか迷うほどでした。高校はピアノと歌の両方を学べる教育音楽科にしました。後に気持ちが決まり声楽家に転科をしたのです。その才能を声楽に集結して、この度東京藝大学長の推薦をいただくことができました。本人の志気も高く、当日の演奏もマダマダ!!としきりに反省をしておりました。(苦笑)これからも学びは続きます。これからの方が道は厳しいはず。彼の生き様を見守っていきましょう。


 そして林さんの伴奏をしたのが加藤紗耶香さん。彼女も伴奏経験が豊富でベテラン伴奏者としての地位を確立しています。さすがにプロの演奏という風格を感じました。はじめの1音を奏でただけで2,000人ホールに響き渡る通る音を聴かせてくれました。

林さんをご紹介くださった関本先生と


出演者3名と

 3人とも努力を重ねているのです。これからが正念場。自分の人生ですから悔いのないように励んでください。常に応援しています。私は教え子たちのファン第1号ですから!

2024年4月29日月曜日

やさしくわかりやすく、なお面白く

  【むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに】

 日本を代表する小説家であり劇作家・放送作家である井上ひさしさんの言葉である。
なんて素晴らしい言葉なのだろう。何度読んでも「そう!そう!そう!」とうなづいてしまう。
ピアノ指導者として、母親として、若者の道しるべ的存在である社会の一員としてどの部分も共感でき、理想とする生き方ではないかと思う。
生徒に、奥深く緻密な音楽の世界を、やさしくわかりやすく、なお面白く導びいているだろうか?

 今コンクールに向けて奮闘中である。今年は初チャレンジの生徒が多い。
ピアノが好きだから、上手になりたいという気持ちでレッスンに来る。
そのためには基礎力が必要である。基礎力というのは技術だけではない。
読譜力、ソルフェージュ能力、音楽理論の理解、響きに関する養われた耳など総合力なのである。
そのようなことは露知らず、レッスンが始まって初めて開眼するのが常である。
その時が人づくりのスタートなのである。
指導者の導きに真剣に向き合い、どんなに時間が掛かろうと粘り強く取り組めるのか、以前に習ったこと、経験したことを活かすことができるか、習得するために創意工夫をしているかなど自分と戦い始めた。苦しむ生徒たちに井上ひさしさんの言葉のように接しているだろうか・・・。自問自答する毎日である。

本日も部活で地区大会の直前という中学生のレッスンをした。
ここ1ヶ月くらい様子を見ていたが、気持ちは部活の方に向いている。
ピアノはどうしたのかなぁ・・と彼女の中から遠のいていく感じだった。
なのにコンクールにチャレンジすると言い、選んだ曲が#が7つ付いている調。
ド〜シまで全て#が付いているのである。慣れればそうでも無いのだが、彼女にとっては超厄介のようである。信じられないほどリーディングミスが多い。

本日はやさしく彼女に寄り添い90分掛けて譜読みをした。
すると彼女から笑顔が出てきた。難解であった譜読みが紐解かれ始めたようで嬉しそうだった。
私もそも笑顔を見て、少しピアノに心が戻ってくるかも・・と思えて嬉しかった。
叱咤激励するばかりでなく、やさしく寄り添い、生徒たちの苦労を共に超えてあげることも必要だと痛感した。

次回のレッスンは大会の翌日である。さぁ彼女はどんな状態でレッスンに来るだろうか?
期待して待っていよう。指導は生徒と根比べのようなもの。待てるかが重要。
しかしコンクールだけは間に合わないと大変。
そのタイミングがバランスが難しいのである。
今でギリギリ・・・

2024年3月14日木曜日

2024早春の活動報告

 我が家の庭は、紅梅のピンク・福寿草の黄色・沈丁花の白と見事に揃い春爛漫です。

久しぶりに活動報告です。

2月3・4日 日本バッハコンクール全国大会中学B部門審査
 課題曲がシンフォニア・フランス組曲・平均律とバラエティに富んでおり、聴くには楽しい部門です。しかし審査すると思うと、難しい課題曲でもありました。
会場は人気の高い浜離宮朝日ホールでしたが、あの響きの良いホールでも響かせられない演奏者がいることに、少々戸惑いを感じました。
やはり、打鍵の基礎をしっかり学ばせなくては・・と感じて帰ってきました。
 この2日間ご一緒させて頂いた先生方、お世話になりました。

       

専務理事 福田成康氏も駆けつけてくださいました。

 今回のコンクールではもう一つ嬉しいことがありました。運営スタッフチーフとして、教え子の本村愛眞さんが実に爽やかに仕事をこなし、活躍している姿を見ることが出来て安堵と共に頼もしさを感じました。社会に出て生き生きと活躍している若者の姿に力をもらいました!




3月3日 那覇春季地区ステップ
 ステップアドバイザーとして伺いました。
会場は見事なアプローチをもつ沖縄県立博物館・美術館講堂。空の広さ、潮の香り、見事な景観で仕事を始める前から感動しました。


 
アドバイザーメンバー

 今回はミニレクチャーも担当させて頂きました。ピアノ学習者と保護者の方々が、少しでもピアノに関しての意識改革のお手伝いが出来ていたなら幸いです。
 会場の皆さんにパワーを浴びせてきました!!


 


 最後にステーションの赤嶺先生・上原先生お世話になりました。
 思い出深いお仕事となりました。

3月4日 「ピティナ課題曲セミナー&コンクール活用法」講座
 

 A2〜B級迄とはいえ、全40曲を2時間で演奏して説明するのはハードでした。ピティナの仕事をするようになって35年くらい。しかしこの歳になって、課題曲セミナーを依頼されるとは思ってもいませんでした。
でも40曲弾き切りました!!!(笑)

 準備期間中、試行錯誤しているうちに学ぶことが多々あり、ご依頼くださった沖縄支部に感謝の気持ちが湧いてきました。迷いもプレッシャーもありましたが、お引き受けして良かったと心から思っています。
 沖縄支部の糸数先生・大宜見先生有り難うございました。感謝申し上げます。


 さて後半の講座は、コンクールの活用法についてお話ししました。
 「コンクールは人づくりのツールとして活用すること。情操教育であることを忘れずに、自分磨きをしましょう。そして強い精神力と共に豊かな人間性を養いましょう。そのスタンスで取り組むと生徒・保護者そして指導者も成長できます。
という内容です。
 私も久しぶりに我が子の子育ての頃を思い出し若返りました。(苦笑)
 子育てと指導者の両立は難しいもの。少しでもヒントになったかしら・・・。

 1年分の講座を2日間で行った気分です。やり終えた気分は爽快でした!!

3月9日 宇都宮短期大学・附属高校卒業演奏会
 今年は橋本花愛さんが代表に選出されました。このブログでも最近取り上げてきました彼女。近年の成長は眼を見張るものがあり期待する一人として成長してきました。当日の演奏も立派に重責を果たしました。彼女の成長をずーっと見守ってくださっていた宇短大の先生方からお褒めのお言葉を頂きました。彼女の一途さが実を結びました。


3月10日 宇都宮女子高OGオーケストラ演奏会
 教え子の齋藤文香さんがソリストとして、ベートーベン の「皇帝」を演奏しました。そしてその指揮が、またまた私の教え子の小森康弘さん。まさか同門の2人が地元宇都宮で共演する日が来るなんて夢のようなひと時でした。小さな私からビッグな2人に成長しました。
 


最近、私は教え子たちの活躍を見守る立場にいることを痛感します。指導者として懸命にやってきた証。その教え子たちに喜びとパワーを沢山いただいています。有り難う❤️まだまだ私も頑張ります。後輩たちを育てるわね。


IKUKOでした。